文教大学大学院人間科学研究科創立30周年おめでとうございます。現在、大学院付属臨床相談研究所で相談員として勤務しておりまして、そのご縁でお話を頂き、今回拙文ではございますが寄稿をさせて頂きました。
大学院在学時の思い出として、まず蘇るのは修士1年時の授業と課題に追われたハードな日々のことです。当時は「臨床心理士になる」という夢に向かって、早朝4時に起床して勉強していました(私は朝型でした)。先生方による熱の入った授業を受け、もっと知りたいという気持ちになり、図書館で関連文献を探して読み、という毎日を送り充実した日々でした。また、12号館の研究室に伺えば先生方と直接お話ができたり、ちょっとした質問をさせて頂いたり、温かくサポートして頂いたこともございます。そして修士2年時は内部実習で相談ケースを持たせて頂きました。初めてクライエントとお会いした瞬間は特別なものであり、今でも鮮明に記憶にございます。当時は拙く、経験も少ない中でカウンセリングを担当し、スーパーヴィジョンやグループ?スーパーヴィジョンで異なる視点からの議論やアドバイスを頂き、臨床心理学の理解を深める場があることで成長させて頂いたと思います。また私は大学病院で週1回外部実習をさせて頂く機会を得ました。当時ご指導下さった心理士の方とは、10年以上経った今でも時折連絡を取らせて頂いております。
このように、学業?研究生活では厳しさがあった反面、そこには人とのつながりや先生方からの温かいサポートを常に実感できる、非常に恵まれた日々を送らせて頂きました。
修了後は、無事に臨床心理士および公認心理師の資格を取得いたしました。修了後すぐの数年は教育相談室で勤務いたしまして、多くの学齢期のお子様とその保護者様に関わらせて頂きました。その後、人間科学研究科付属臨床相談研究所で相談員となり、今度は後進を育てる立場として、院生の実習やカウンセリング、また運営事務等を担当しております。
現在の院生の雰囲気は、それぞれが個性と臨床心理学に対する夢を持ちながらも、お互いに協力し合える温かみある関係を築いているように見受けられます。これは30年という歴史から生まれた風土?伝統のようなものかもしれないと感じております。
最後に、これまで支えてくださったすべての関係者の方々に感謝の気持ちをお伝えいたしますとともに、これからも豊かな学びの場としての伝統を守りながら、未来に向けて更なる飛躍を果たしていかれることを期待しております。
黒井 友子
2013年度修士号取得 臨床心理学専攻
文教大学院付属臨床相談研究所