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生涯学習学専攻から人間科学専攻への改組

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野島 正也
元生涯学習学専攻長?元人間科学専攻長


そもそも人間科学研究科に生涯学習学専攻が置かれた理由を私はよく知りません。断片的に聞いた話では,当初の案では,研究科は臨床心理士養成の臨床心理学専攻一本でいこうということのようでした。のちに初代人間科学研究科長となる水島恵一先生と事務担当職員が人間科学研究科設置のために文科省に何回か事前相談に足を運ぶ中で,先方の担当者から,学部での専門領域の広さに合わせてもう1つ専攻を置く考え方もあるのではないかという話があったようです(確認したわけではありませんが)。結局,当時文科省が政策の目玉にしていた「生涯学習」の内容を掘り下げる専攻を臨床心理学専攻と併せて設置する方向に舵が切られたようです。

私にとっては自分の専門領域に近い「生涯学習学専攻」の誕生はうれしかったのですが,当時はまだ「生涯学習」の考え方が日本に導入されて年数が経っておらず,日本でその分野の研究の積み上げは初期段階といえる状況でしたので,専攻名に「生涯学習学」と「学」が付されたのには「それでいいのかな」という気持ちもありました。

生涯学習学専攻開設当初,入学した院生のそれまでの経歴は大きく分けて3通りでした。1つは学部卒業後引き続き大学院に進学,2つには教職等にある人が現職のままキャリアアップのために大学院に進学,3つには会社等を退職後,自らの生涯学習のために大学院に進学。それが,年数が経つうちに2と3の理由で入学する人が少なくなり,入学者の定員割れも生じてきました。また別の問題もあり,専攻開設当時から生涯学習学の専門科目群を担う先生方の確保はけっこうたいへんなことでした。

そこで,当時生涯学習学専攻長だった私は,所属の先生方に相談し,思い切って専攻を模様替えし,従来の生涯学習学関連のカリキュラムから,人間科学部人間科学科との接続を重視したカリキュラムに変更して,学部から大学院まで一貫した指導体制をとることにしました。2005年4月の改組により,新生?人間科学専攻がスタートしました。その後2008年には学部に心理学科が開設され,人間科学部人間科学科と心理学科の学生が大学院人間科学専攻へ進学するというメインストリームができ上がりました。